【子どもの成長】ゴールデンエイジを最適に過ごすためのトレーニングガイド!考え方解説

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結論からお伝えします。ゴールデンエイジ(運動能力が最も伸びやすいとされる9〜12歳頃)に大切なのは、特定の競技への早期特化ではありません。さまざまなスポーツや遊びに触れることです。

「うちの子、今のうちに専門的な練習をさせたほうがいいのでは?」。指導の現場で、保護者の方からよくいただく質問です。気持ちはよく分かります。ただ、体の発達には年代ごとの「伸びやすい時期」があるとされています。

この記事では、発達段階ごとの体の特徴と、年代別トレーニングの考え方を解説します。

この記事で分かること

  • ゴールデンエイジを含む3段階の年代別の特徴
  • プレ期(3〜9歳頃)に遊びで神経を刺激する考え方
  • 9〜12歳頃に一つの競技へ絞りすぎない理由
  • スキャモンの発育曲線で見る、伸びやすい時期
  • 13〜15歳頃に柔軟性ケアと技術練習を置く理由

運動能力が伸びる時期は3つの段階に分けられる

幼児・小学生・中学生がそれぞれの遊びを楽しむ公園の様子(イラスト)

運動能力の発達は、一般的にプレゴールデンエイジ、ゴールデンエイジ、ポストゴールデンエイジの3段階に分けて考えられています。まずは各年代の特徴から見ていきましょう。

プレゴールデンエイジ(3〜9歳頃)は遊びで神経に刺激を与える時期

プレゴールデンエイジとは、神経系が著しく発達するとされる3〜9歳頃を指します。ゴールデンエイジ(9〜12歳頃)の前段階、いわば準備期間です。

この時期の主役は、神経回路の発達です。神経系は幼児期のうちに大きく育ち、小学生のあいだにおおむね大人に近づいていくと考えられています。だからこそ、9歳までにいろいろな動きを経験して、神経に刺激を与えたいのです。

新しい動きを見てすぐ真似できるのも、この年代ならでは。自転車を思い出してみてください。大人になってから新しい動作を覚えるのは大変ですが、子どもの頃は意外とすんなり乗れるようになりましたよね。

この時期の過ごし方は、その後の運動への向き合い方にも関わってくると感じています。とはいえ「何をさせればいいの?」と身構える必要はありません。子どもの興味に合わせて、いろいろな運動や遊びを取り入れる。それで十分です。

「親が運動音痴だから、この子も……」という心配については、「運動神経は遺伝で決まる」って本当?運動が苦手な親御さんへ、コーチの答えでお話ししています。

ゴールデンエイジ(9〜12歳頃)は一つの競技に絞りすぎない

ゴールデンエイジとは、9〜12歳頃の時期を指します。プレゴールデンエイジで育ち始めた神経回路が、大人に近い水準まで仕上がっていくとされる時期です。

運動能力が最も伸びやすいとされる時期でもあります。だからこそ、特定のスポーツに限定せず、多様な動きを取り入れることをおすすめします。体が大きくなり始める時期でもあります。柔軟性を損なわないよう、バランスよく体を動かしてください。

心肺機能も伸び始めます。過度にならない範囲で、持久力を高める運動も取り入れましょう。

「走る・跳ぶ・投げる」という運動の基本を、この時期に身につける。それが次のポストゴールデンエイジへの土台になります。

ポストゴールデンエイジ(13〜15歳頃)は柔軟性のケアと技術練習を

ポストゴールデンエイジとは、13〜15歳頃の時期を指します。体格の変化と神経系の完成に伴って、筋力や心肺機能が向上していきます。スポーツの戦術理解が深まるのもこの頃です。

成長期のピークを迎え、大人の体へと変化していきます。骨格や筋力が育ち、パワーやスピードも伸びる一方で、柔軟性は失われやすくなります。ストレッチなど日々のケアを習慣にして、怪我のリスクを下げましょう

12歳までは多様な動きを身につける時期でした。ここからは技術面にも時間を使いましょう。新しい動きの習得はプレゴールデンエイジ期より難しくなります。それでも、幼い頃に身につけた動きを応用することは十分できます。

戦術面では、考える力が武器になります。フィールドスポーツは、戦術の理解が浅いとチームが機能しません。状況判断の力が育てば、練習での習得スピードも上がっていきます。

スキャモンの発育曲線を知ると年代別の考え方が腑に落ちる

柱の前で背比べをして成長を喜ぶ親子の様子(イラスト)

スキャモンの発育曲線は体の系統別に成長のペースを示したもの

スキャモンの発育曲線は、1930年にアメリカの解剖学者スキャモンが発表した古典的な考え方です(出典:R. E. Scammon “The measurement of the body in childhood”, The Measurement of Man, 1930)。20歳時点の発育を100%として、0歳から20歳までの発育量の推移を、体の系統別に示したものです。次の4つに分類されます。

スキャモンの発育曲線。神経型は幼児期に急速に発達し、一般型は思春期に伸びることを示すグラフ

※R. E. Scammon(1930)の発育曲線をもとにした模式図です。曲線の形は大まかなイメージで、細かい数値を示すものではありません。

押さえてほしいのは、系統によって伸びる時期がずれているという一点だけです。

ひとつ、正直に付け加えておきます。この曲線は発表から時間がたっていますが、2013年の総説でも「発表から80年のあいだ、検証はほとんど行われてこなかった」と指摘されています(藤井勝紀「発育発達とScammonの発育曲線」スポーツ健康科学研究 第35巻, 2013)。よくできた見取り図ではあるけれど、確定した事実の一覧ではない、ということです。細かい数字を信じ込むより、「伸びる時期がずれている」という大づかみの理解だけ持ち帰ってもらうのが、いちばん安全な使い方だと思っています。

体力の要素ごとに「伸びやすい時期」が異なる

ここから先は、曲線の話ではありません。この曲線が示しているのは体の「量」の育ち方であって、走る力や跳ぶ力そのものではないからです。ただ、現場で子どもたちを見ていると、体力の要素にもそれぞれ伸びやすい時期があるように感じます。私の実感としての、大まかな順番は次のとおりです。

もちろん、成長のペースには大きな個人差があります。同学年でも体つきがまるで違う子が並んでいるのが、現場の実感です。それでも順番を知っておくと、「今は何を優先する時期か」を判断しやすくなります。焦って筋力トレーニングを前倒しする必要はない。それが分かるだけでも大きな収穫です。

年代別トレーニングは「その時期に伸びるもの」を選ぶ

家の庭で縄跳びやボール遊びに取り組む子どもと見守る保護者の様子(イラスト)

ここからは年代別のトレーニング例を紹介します。内容の選び方ひとつで、体の育ち方は変わってきます。

プレゴールデンエイジは遊びの中で基本動作を身につける

遊びを通じて多様な運動経験を積むことで、基本的な動作が身につきます。

「トレーニング」と構えなくて大丈夫です。公園での鬼ごっこも、立派な運動経験になります。この時期の関わり方については、【保護者必見】小学生トレーニングの重要性!を解説もあわせてどうぞ。

ゴールデンエイジは多様な能力をまんべんなく伸ばす

新しい動作や技術の習得に加え、平衡性(バランス力)・俊敏性・瞬発力・反応能力など、さまざまな能力が伸びやすいとされる時期です。

平衡性(バランス力)と体幹を鍛えるトレーニング

俊敏性と素早い切り返しを高めるトレーニング

瞬発力を養うトレーニング

ジャンプ系は着地のたびに膝やかかとへ負担がかかります。ボックスジャンプなら、まずは低い台から。回数を追わず、フォームが崩れたところでやめるくらいでちょうどいいです。走りそのものを伸ばしたいときは、【速く走る秘訣】小学生、中学生で必要なトレーニング!心技体を解説!も参考になります。

ポストゴールデンエイジは筋力と持久力を計画的に高める

成長期のピークに入り、骨格・筋力・心肺機能が総合的に向上する時期です。

ここで一つだけ、注意していただきたいことがあります。膝やかかと、腰に「痛み」が出たら、その日は中止してください。筋肉痛とは別物です。成長期の体は骨や関節がまだ育っている途中で、大人と同じようには負荷を受け止められません。痛みが数日続くようなら、自己判断せず整形外科などの医療機関に相談してください。

インターバル走のような強度の高いメニューも、この年代から少しずつ選択肢に入ってきます。ただし同じ13歳でも、体のでき方はまるで違う。重さを使う器具のトレーニングは、この年代でもまだ急ぐ必要はありません。自分の体重を使った種目を土台にして、はじめのうちは大人がそばで見てあげてください。強度の決め方は小中学生のトレーニング計画の立て方|成長期に合った運動強度の決め方に、家でできる種目は足が速くなる自宅トレーニング|小中学生が親子でできる練習メニューにまとめています。

まとめ:今日の遊びに「いつもと違う動き」を1つ足してみよう

子どものトレーニングは、成長段階に合わせて選ぶ。それが遠回りに見えて、いちばん確かな道だと感じています。特にゴールデンエイジ期の多様な運動経験は、その後に新しいスポーツへ挑戦するときの土台になりやすいと考えられています。伸び方に個人差はありますが、動きの引き出しが増えて損をすることは、まずありません。

まずは今日、いつもの遊びや練習に「いつもと違う動き」を1つ足してみてください。ボール遊びが好きな子にはケンケン、走るのが好きな子には後ろ向き歩き。その小さな一歩が、子どもの体の引き出しを増やしていきます。

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このブログについて

このブログは、子どもたちの「走りたい」を応援する場所です。 やさしい言葉で、保護者の方にも安心して読んでいただける情報をお届けします。

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