跳び箱が跳べない子へ|「こわい」を分解して、跳べる形に戻す
こんにちは、ぷでぃまです!
跳び箱が跳べないお子さんについて、先に結論をお伝えします。足りないのは脚力ではなく、手より前に体を送り出す感覚のほうです。
助走はするんですが、跳び箱の手前で必ず止まってしまうんです。「こわくないよ」と言っても、足踏みしたまま戻ってきてしまって…
2学期の体育で出てくる種目です。跳べる子と跳べない子がはっきり分かれて見えるので、親御さんのほうが気になりますよね。
でも、回数を増やしても変わらないことが多いです。止まっている理由が、力そのものではなく、こわさと体の使い方のほうにあるからです。
現場で見ていると、走るのが速い子が跳べないこともありますし、体の小さい子がすっと跳ぶこともあります。脚力の順番どおりにはなりません。
この記事では、こわさを分けたうえで、跳べるところまで戻して積み直す順番をお話しします。
この記事で分かること
- 跳べない理由が脚力とは限らないという話
- 「こわい」を4つに分けて、どこで止まっているか見つける方法
- 動きを分けて、跳べるところまで戻す練習の順番
- 親御さんがつく補助の位置と、触ってはいけない場所
- 段数を目標にしないほうがいい理由
跳べないのは、体が手より後ろに残っているからです

まず、うまくいかないときに何が起きているかです。ほとんどの子に共通する形があります。
跳べない子は、跳び箱の手前のほうに手をつきます。そして、おしりが後ろに残ったまま、足だけを持ち上げようとしています。
跳び箱は、脚で跳び越える運動ではありません。手をついて体を支え、肩を手より前に運ぶことで、体が向こう側へ抜けていきます。
- 手をつく位置が手前 … 跳び箱の奥のほうに手をつく
- おしりが後ろに残る … 腰が引けると、足が箱に引っかかります
- 踏み切りの直前で減速する … 止まってから跳ぶと、力が上に逃げます
「もっと強く踏み切って」より「手は奥に、肩を前に」。声かけを変えるだけで抜ける子がいます。
段の高さも見てあげてください。低い段のほうが、肩を前に出す感覚はつかみやすいです。高い箱で回数を重ねても、この形は身につきません。
はじめる前にひとつ。跳び箱は、着地でしりもちをついたり、手首を痛めたりすることのある種目です。学校以外でやるなら、下にマットのある場所を選んでください。
「こわい」は、4つに分けられます

次に、こわさの話です。ここを飛ばして跳ばせても、体は手前で止まったままです。
「こわい」とひとことで言っても、中身は子どもによって違います。だいたい、次の4つのどれかです。
- ぶつかるのがこわい … 前にすねや太ももを打った記憶が残っている
- 落ちるのがこわい … 高さそのものが不安
- 着地がこわい … 足から降りられる自信がない
- 見られるのがこわい … 順番待ちの列と、後ろに並ぶ友だちの視線
まえに足ぶつけて、すごく痛かったから…
一つめは、はっきりした理由があるぶん、いちばん扱いやすいです。低い段に戻して、当たらない経験を積み直せば薄れていきます。
四つめは、跳び箱そのものの問題ではありません。家では跳べるのに学校で固まるなら、こちらを疑ってみてください。
どのこわさなのかは、聞けば案外そのまま教えてくれます。「跳び箱、どこがいちばんいや?」と一度だけ聞いてみてください。
こわさをほどく順番は、鉄棒とよく似ています。逆上がりができない子へ|「怖い」をほどく鉄棒の教え方に書いた考え方は、跳び箱にもそのまま使えます。
動きを分けて、跳べるところまで戻す

三つめは、練習の分け方です。跳び箱をひと続きのまま練習させないでください。
跳び箱の動きは、次の4つでできています。どこで止まっているかが分かれば、やることも決まります。
- 助走 … 止まらずに踏み切りまで行く
- 踏み切り … 両足でトンと踏む
- 手で支える … 手をついて、肩を前に出す
- 着地 … 両足で立って止まる
戻す先は「またぎ乗り」です。低い段に手をついて、馬乗りになって座るだけ。跳び越さないので、ぶつかる心配がありません。
またげたら、そこから前に手をついて降ります。ここまでで、手のひらで体重を支える感覚が入ります。
開脚跳びに進むのは、そのあとです。1段でも2段でも構いません。跳べた形を体が覚えるほうが先です。
補助に入るときは、立つ位置を跳び箱の向こう側の横にしてください。手を当てるのは二の腕か脇の下で、前に引き出す方向に力を使います。首と頭には触れないと決めておいてください。
家と公園でできる、跳び箱の準備

四つめは、体育館の外でできることです。跳び箱そのものは家にありませんが、必要な感覚のほうは用意できます。
育てたいのは、手のひらで体重を支える感覚です。ふだんの遊びでは、あまり出てきません。
- かえるの足うち … 両手を床につき、足を浮かせて、空中で足の裏を合わせる
- 手押し車 … 大人が足首を持ち、子どもが手で歩く。短い距離で切り上げる
- 川とび … 床に置いたタオル2本を、手をついてまたぎ越す
かえるの足うちは、腕で支えている時間が、そのまま跳び箱の空中と同じ形になります。まず1回浮けば十分です。
家でやるときは、ソファや布団を跳び箱の代わりにしないでください。沈んで手が滑るので、跳び箱よりかえって危ないです。
なお、ひざを深く曲げて連続で跳ぶ昔ながらの「うさぎ跳び」は、ひざへの負担が大きいとされ、いまの学校現場ではあまり行われません。ここで挙げた3つは、どれも脚ではなく腕を使う遊びです。
親御さんが一緒にやる形にすると続きます。運動が苦手でも問題ありません。関わり方は運動が苦手な親でもできる、子どもと一緒にやる練習3つにまとめました。
段数を目標にしないでください

最後に、長い目で見たときの話をします。跳べた段数を目標に置くと、親子ともにしんどくなります。
段数には体格差がそのまま出ます。同じ学年でも身長が違えば、跳びやすさは変わります。何段跳べたかは、うまさの順番ではありません。
見ておきたいのは、次のような変化のほうです。
- 助走の途中で止まらなくなった
- 手を、前より奥につけるようになった
- 着地のあと、足がふらつかなくなった
学校で跳べない日が続くときは、担任の先生に「低い段で練習させてほしい」と一度伝えてみてください。段を下げるだけで動きが戻る子は少なくありません。
そして、手首を痛がる、首や肩が痛いと言うときは、その日はそこで終わりにしてください。痛みが翌日も残るなら、早めに整形外科で見てもらってください。
跳べた日より、跳び箱の前で止まらなくなった日のほうが、あとから効いてきます。
今日できる一歩は、床で「かえるの足うち」を3回だけやってみることです。手で体を支えられると分かっているほうが、跳び箱の前でも足は前に出ます 🌿