子どもへの走り方の教え方|言葉のかけ方で伝わり方が変わります
こんにちは、ぷでぃまです!
「腕をもっと振って!」「前を見て!」「もっと膝を上げて!」
わが子のかけっこを見ていて、つい言ってしまった経験はありませんか。そして、言えば言うほど動きがぎこちなくなっていく。あの気まずい感じ、私もよく分かります。
結論からお伝えします。子どもに走り方が伝わるかどうかは、教える内容より「伝え方」で決まることがほとんどです。正しいことを言っているのに伝わらないとしたら、原因は中身ではなく、渡し方のほうにあります。
この記事では、フォームの解説はしません。かわりに、私が現場で使っている「言葉のかけ方」のコツを4つお話しします。運動が得意ではない親御さんでも、今日からそのまま使えるものばかりです。
一度に直すのは1つだけ。2つ言うと子どもは固まる

いちばん多い失敗が、これです。腕振りも、目線も、膝の高さも、全部いっぺんに伝えてしまう。
大人でも、同時に3つのことを意識しながら体を動かすのは、かなり難しいはずです。子どもならなおさら。指導現場でよく見るケースとして、注意を2つ以上受けると、走るのをやめて考え込んでしまう子が少なくありません。動きが良くなるどころか、走ること自体が「怖い作業」になってしまうのです。
だから私は、その日に伝えることを1つだけに絞ります。腕振りを伝えたら、その日は目線のことは言いません。物足りなく感じるかもしれませんが、1つに絞ったほうが結果的に早く身につく子が多い、というのが私の実感です。
では何を1つ選ぶのか。迷ったときは、【小学生・中学生向け】足が速くなる仕組みとは?基礎知識3選を徹底解説を読んで、優先度の高いものから1つ選んでみてください。
言葉で説明するより、やって見せて真似させる

「骨盤を前傾させて」と言われて、動ける小学生はほとんどいません。体の部位を言葉で操作するのは、想像以上に高度なことなんです。
小学生くらいまでの子は、説明を理解して動くより、見た動きをそのまま真似るほうが早く体に入る。現場では、そう感じる場面が多くあります。理屈が分かる前に、体が先に覚えていく。そんな様子をよく見ます。
この「動きが伸びやすい時期」の考え方は、【子どもの成長】ゴールデンエイジを最適に過ごすためのトレーニングガイド!考え方解説でも扱っています。
ここで「私は運動が苦手だから、見本なんて見せられない」と思った方。安心してください。上手にやって見せる必要は、まったくありません。
- 大げさにやって見せる:正しい動きより、違いが分かる動きのほうが伝わります。腕振りなら、わざと大きく振ってみせる
- わざと悪い例をやってみせる:「こっちとこっち、どっちが速そう?」と選ばせると、子どもは自分で気づきます
- 一緒にやって、子どもに直させる:「お母さんの腕振り、どう?」と聞くと、子どもは急に指導者の目になります
親が下手なほうが、むしろ場は盛り上がります。真似される側の完成度より、真似する回数のほうが大事です。
ダメ出しの前に「今の、良かったね」を置く

これは順番の話です。同じことを伝えるのでも、先に何を言うかで、届き方がまるで変わります。
「腕が振れてないよ」と言われた子は、腕のことより「怒られた」ことを覚えます。でも「今の、最後まで力が抜けてなかったね。あと腕がもう少し振れると、もっといきそう」と言われた子は、腕のことを覚えて帰ります。
伝えたい中身は同じです。違うのは、聞く準備ができているかどうかだけ。
ほめるところが見つからない、という方へ。順位やタイムを見なくていいんです。「最後まで走り切った」「スタートで集中してた」「転んでも起き上がった」。過程を見れば、ほめるところはきっと見つかります。
心と体のつながりについては、【速く走る秘訣】小学生、中学生で必要なトレーニング!心技体を解説!でも触れています。気持ちが乗らない日の走りは、驚くほど伸びません。
教えたくなるのをこらえて、ただ走らせる時間をつくる

最後に、いちばん難しいコツを。何も言わない時間を、意図的につくることです。
ずっと修正され続けた子は、走るたびに「合ってるかな」と親の顔色を見るようになることがあります。そうなると、思い切り走るという大事なものが、少し遠のいてしまう。これは熱心に見てあげている親心の裏返しなので、責める話ではありません。指導現場でよく見るケースとして、伸びる子ほど「見られていないとき」に楽しそうに走っています。
私のおすすめは、練習を2つに分けることです。前半は自由に、後半だけ1つ伝える。時間で区切ってしまえば、こらえるのも少し楽になります。
自由に走ったあとで、何か体を動かすことをしたくなったら、足が速くなる自宅トレーニング|小中学生が親子でできる練習メニューにある親子でできるメニューが使えます。教えるというより、一緒に遊ぶ感覚でどうぞ。
まとめ:今日は「1つだけ」伝えて、あとは黙って見てみる
走り方を教えるとき、親御さんが持っている情報は、たぶん足りています。足りていないのは、渡し方だけです。
一度に1つ。言葉より真似。ダメ出しの前にひとこと。そして、何も言わない時間。この4つを意識するだけで、同じ言葉でも届き方が変わってきます。効果には個人差がありますが、少なくとも「言えば言うほど固くなる」という悪循環からは抜け出しやすくなるはずです。
次にお子さんが走るのを見るとき、伝えることを1つだけ決めて、あとは黙って見てみてください。その静かな時間が、いちばんのコーチングになることも、案外多いのです。
