「一緒にやろう」が言えない子へ|外遊びの輪に入るまでの練習
こんにちは、ぷでぃまです!
輪に入れないお子さんについて、先に結論をお伝えします。足りないのは勇気ではありません。用意してあげたいのは入り方の型がひとつあることです。
公園に行っても、みんなが遊んでいるのを遠くから見ているだけなんです。「入れてって言っておいで」と言うと、かえって固まってしまって…
夏休みや放課後の公園で、よく見る光景です。そして「言っておいで」が効かないのは、お子さんが引っ込み思案だからではありません。
現場で見ていて思うのは、言えない子は言葉ではなく、そのあとが分からないということです。声をかけたあと何をすればいいか見えていないから、その一歩が重くなります。
この記事では、つまずいている場所を分けたうえで、家でできる準備を順にお話しします。
この記事で分かること
- 「入れて」が言えないのは勇気の問題ではないという話
- つまずいているのは声かけそのものではなく、その手前だということ
- 家で持たせておける「入り方の型」の作り方
- 親が入り口をつくるときの、やっていいこと・やりすぎなこと
- 一人で遊ぶ時間をどう見ておくか
「入れて」が言えないのは、勇気が足りないからではない

まず、見方をひとつ変えておきたいです。輪に入れないお子さんは、こわがっているというより、情報が足りていないことが多いです。
大人に置きかえると分かりやすいかもしれません。知らない人たちが何かの作業をしている輪に、内容も分からないまま入っていく。それはためらいます。
お子さんの頭の中では、だいたいこの3つが同時に起きています。
- 何をしているか分からない … ルールも役割も見えない
- 断られたあとが分からない … 断られたとき、どこに戻ればいいか決まっていない
- 入ったあとが分からない … 入れても、動きについていけるか不安
つまり止まっているのは、声を出す勇気ではなく見通しです。ここが分かると、かける言葉が変わります。
「がんばって言ってごらん」は、3つのうちどれも解決しません。むしろ、言えなかったこと自体がその日の失敗として残ってしまいます。
なお、きょうだいの間では言えるのに外では言えない、というお子さんもよくいます。家の中と外での見え方の違いについては、兄弟で運動の得意・不得意に差があるとき|比べない関わり方にも通じる話を書きました。
つまずいているのは、声かけそのものではない

ここは分けて見てほしいところです。「輪に入る」は、ひとつの動作のように見えて、実はいくつかの段階に分かれています。
- 近づく … 遊んでいる場所の近くまで行く
- 見る … 何をしているのか、しばらく眺める
- 入る … 声をかける、または動きに加わる
- 続ける … その場にいて、遊びが終わるまで過ごす
うまくいかない子を見ていると、止まっている段階は一人ひとり違います。近づけない子もいれば、近づいて見ることまではできていて、そこから動けない子もいます。
「入れなかった」で終わらせず、「どこまでは行けた?」と聞いてみてください。近くまで行けたなら、それはもう半分進んでいます。
この分け方の良いところは、できたところが残ることです。全部できたかどうかで見ると0点になってしまう日でも、段階で見ると先週より進んでいることがあります。
家では、この段階の言葉をそのまま使って話すと伝わりやすいです。「今日は見るところまでできたね」で十分です。
家で持たせておけるのは、言葉より「入り方の型」

ここが今日の中心です。その場で考えさせるのをやめて、あらかじめ決まった型をひとつ持たせておきます。
おすすめは、いきなり「入れて」と言わない型です。
- ①「なにしてるの?」と聞く … 質問なら、断られる形になりません
- ②少し見る … ルールや役割が見えて、入ったあとの不安が減ります
- ③「やっていい?」と言う … 中身が分かってから聞くので、言いやすくなります
3つに分けておくのがコツです。①だけで終わった日も、型のとおりに動けたことになります。
体を使った入り方も用意しておくと、言葉が出にくい日に助かります。転がってきたボールを拾って渡す、鬼ごっこの端のほうを一緒に走る。動作から入るほうが得意な子はかなりいます。
きょう、なにしてるの?って聞けた
この報告が出てきたら、型が使えたサインです。輪に入れたかどうかより、こちらを先にねぎらってあげてください。
断られたときの戻り先も、先に決めておきます。「だめだった」ら親のところに戻る、ブランコに行く、水を飲む。逃げ場が決まっていると、声をかけるハードルが下がります。
親が入り口をつくるとき、やっていいこと・やりすぎなこと

親御さんが手を貸していいのか、迷うところだと思います。結論としては、手を貸していいです。ただし、代わりに言ってしまうのは避けたいところです。
- ⭕「あそこ、なにやってるんだろうね」… 見る段階まで一緒に行く
- ⭕ 親も一緒にボールを蹴りはじめる … 遊びの輪をこちらに作ってしまう
- ❌「うちの子も入れてあげて」… 入れてもらった子、という立ち位置が残ります
3つめが効かないのは、その場は入れてもお子さんの中に成功として残らないからです。次に一人で公園に行ったとき、使える型が増えていません。
もうひとつ、親御さんが先に遊びはじめる方法は使い勝手が良いです。子どもは動いているものに寄ってきます。あなたが遊びの中心にいれば、輪のほうから近づいてきます。
外遊びそのものに気が向かないお子さんへの仕掛けは、ゲームばかりの子を外遊びに|叱らずに体を動かす仕掛けにまとめました。あわせて読んでみてください。
安全面もひとつだけ。年齢差のある子が混ざった鬼ごっこやボール遊びでは、体格差で転倒しやすくなります。走り回る場所では大人が見える位置にいて、ぶつかりそうな組み合わせのときは早めに声をかけてください。
一人で遊ぶ時間も、ちゃんと力

最後に、長い目で見たときの話をします。輪に入れた日を増やすことだけを目標にしないでください。
一人で砂を掘っている、鉄棒にぶら下がっている。そういう時間を過ごせるのも、立派な力です。一人で遊べる子は、無理に合わせて疲れることが少ないという面もあります。
見ておきたいのは、次のような違いです。
- 一人を選んでいる … 表情がおだやか。誘われれば行くこともある
- 一人になってしまっている … 行きたそうに見ている。誘われても断る
- 外そのものを避けはじめた … 公園に行きたがらない日が続く
上の2つは、様子を見ながら型を持たせていけば十分です。3つめが続くときは、運動や友だちの話だけで抱えないでください。
眠れない、食べられない、学校に行きたがらないといった様子が重なるなら、学校の先生やかかりつけの先生に早めに相談してください。外遊びの話に見えて、別のところが疲れていることがあります。
今日できる一歩は、「なにしてるの?」の5文字を、家で1回だけ声に出して練習することです。型がひとつあるだけで、公園での立ち止まる時間は短くなります 🌱