中学生の筋トレ、小学生と同じでいいのか|重さを使うのは高校生からにしています
こんにちは、ぷでぃまです!
先に結論をお伝えします。私は中学生に、重さを使った筋トレをさせていません。中学生の時期にいちばん大切なのは、筋力トレーニングではないと思っているからです。
中学生になったし、そろそろ筋トレをさせたほうがいいんでしょうか…?
小学生の間は「まだ早い」と聞いていた。でも中学生になると、その先が急に分からなくなる。そういう時期だと思います。
ここでつまずきやすいのは、小学生のときと同じ扱いのまま進めてしまうことです。かといって、いきなり大人と同じこともできません。
この記事では、日本スポーツ協会が示している区分を手がかりに、中学生の負荷をどう考えるかをお話しします。
この記事で分かること
- 私が中学生に、重さを使った筋トレをさせていない理由
- 日本スポーツ協会が「12〜14歳」と「15歳から」で引いている線
- 学年ではなく、その子の体を見て決めるという考え方
- 筋力より先に育てておきたいもの
- 家でいちばん危ないのは、どこか
中学生に筋トレをすすめることは、ほとんどありません

まず、私が実際にやっていることをお話しします。
中学生に筋力トレーニングをすすめるといっても、自重での補強トレーニングだけです。重りを使ったウェイトトレーニングは、一切やりません。
自重というのは、自分の体重だけを使う運動のことです。腕立て伏せや、スクワットの動きがそれにあたります。
そしてもうひとつ。中学生が自分から「筋トレをやりたい」と言ってくる場面は、私の現場ではありません。
これは私のクラブでの話です。他の現場でも同じとは限りません。
危ないのは、どこかから情報を持ってきて、家でこっそり始めてしまうことのほうです。この話は最後にもう一度書きます。
「12歳から14歳」と「15歳から」で、線が引かれています

日本スポーツ協会は「発育期のスポーツ活動ガイド」という資料を出しています。この中で、筋力・パワートレーニングの中身が年齢で分けられています。
- 7〜11歳 … さまざまな運動でフォームをつくることが目的。軽度から中程度の負荷
- 12〜14歳 … 筋力の向上にあわせて段階的に負荷を増やす。軽度から中程度の負荷
- 15歳〜 … 高めるべき能力に応じた強度設定を行い、高負荷のトレーニングを開始する
(出典:日本スポーツ協会「発育期のスポーツ活動ガイド」2021年)
お気づきでしょうか。中学1年生から3年生は、この線をまたぎます。中3には15歳が含まれるからです。
ただ、ここから先は私の実感の話になります。私は高負荷を始めるのは高校生からでいい、と考えています。
年齢で区切るというより、学年で一度区切っている感じです。これは私の指導方針です。
ガイドの線は15歳から。私の線は高校生から。少し手前で止めています。
そして正直に書いておきます。ここは指導者によって意見が分かれるところです。
スポーツは、出会った指導者の考え方にかなり左右されます。中学生に重さを持たせる指導者もいると思います。私はすすめていない、というだけの話です。
学年ではなく、その子の体を見ています

では、私は何を基準に負荷を決めているのか。
学年は、もちろん見ます。ただ成長期なので、そこはそれぞれバラバラです。体格や筋肉の発達の違いを見ながら、その子に合う負荷を考えています。
同じ中2でも、体のでき方はまるで違います。年齢よりも、体の大きさや筋肉の発達のほうを見ている感じです。
ここは、私が現場で見てきた実感です。見た目だけで成長の完了を判定する、という意味ではありません。
同じことは、先ほどのガイドにも書かれていました。「同じ学年の子どもでも発育発達の個人差は大きく」と、はっきり書いてあります。あわせて「成長に応じた、適切な運動強度、時間、頻度がある」とも書かれています。
とはいえ、ガイドが書いているのは個人差が大きいというところまでです。だから体を見て決めなさい、とまでは書いてありません。そこから先は、私が現場でやっていることだと受け取ってください。
年代ごとの考え方はゴールデンエイジは過ぎたら手遅れ?でもお話ししています。
筋力より先に、育てておきたいものがあります

ここが、いちばんお伝えしたいところです。
もちろん、最低限の筋力は必要です。そこは前提としてあります。
そのうえで、それより大切なものがあると思っています。基礎的な運動能力。俊敏性。体の動かし方。柔軟性。この時期に発達するべきことをおろそかにして、筋力トレーニングに走ってほしくないのです。
筋力だけに偏らず、体の動かし方も大切にしたい。これが私の指導方針です。
中学生の時期に大切なのは、筋力トレーニングではないと思っています。
フォームが崩れたまま、負荷だけを増やすことは避けたいです。
強くすることより先に、動けるようにしておく。私はそういう順番で考えています。
学年ごとの運動の組み立て方は小中学生のトレーニング計画の立て方にまとめてあります。
家でいちばん危ないのは、こっそり始めることです

最後に、ご家庭で見ていていちばん怖いところを書かせてください。
こっそりウェイトトレーニングを始めてしまうこと。そして、いろいろなところから情報を持ってきて、どんどんやってしまうこと。自分の体に合っていないことをやってしまうことです。
動画で見たメニューが、その子の体に合うとは限りません。
なぜ発育期に注意が要るのか。理由がはっきり書かれている資料があります。
発育期の骨は成人より軟骨部分が多く、未熟であるため外力に弱く、過度のスポーツ活動や無理な動作で外傷、障害を起こしやすい
(出典:日本スポーツ協会「発育期のスポーツ活動ガイド」2021年)
同じ資料は、こうも書いています。使いすぎによる障害は、軽い痛みのうちに休めば治ることが多い。でも無理をすると、後遺症が残ったりスポーツに支障が出たりする、と。
私が心配しているのは、ここです。 中学生のときの無理が、あとから残ってしまうことです。
ひとつ、誤解されやすい点も書いておきます。筋トレをすると背が伸びなくなる、という話を聞くことがあります。ただ、そこは調べても裏づけが見つかりませんでした。
海外の学会がまとめた資料では、適切に組まれた筋力トレーニングが身長の伸びに悪影響を与えることはない、とされています(出典:NSCA「Youth Resistance Training」2009年)。
つまり問題は筋トレそのものではなく、やり方のほうということになります。同じ資料は、過去に報告された成長軟骨のけがにも触れています。不適切なフォームや過大な負荷、適切な指導・監督の不在が挙げられています。
ひとりで抱え込まず、運動の内容や重さ、姿勢を指導者と確認してほしいです。
中学生になると、親御さんの目の届かない時間が増えていきます。伸びる時期に入ったことはあとから伸びる子は、何が違うのかでも書きました。その時期だからこそ、ひとりで抱え込ませたくないのです。
痛みが出たら、その日はやめてください。よくならなければ、スポーツドクターの診察を受けてほしいと思います。
今日できる一歩は、筋トレをやめさせることではありません。「最近どんな運動してるの?」と一度聞いてみることです。どんな運動をしているかを知り、気になることは指導者に相談してみてください。